「流れ星!」

 視界の端を、銀色の線が駆け抜けていった。

 慌てて見上げると、もうひとつ、星が落ちていく。

 私は思わず、両手を合わせてお願いした。

 どうか、羅良が元気でいますように。そして。

 一日でも長く、裕ちゃんの傍にいられますように。

 目を開けて、ハッとする。

 私今、何を願った?

 羅良と裕ちゃんに幸せになって欲しかったはずなのに。

 それが叶わないなら、早く裕ちゃんを自由にしてあげないとって、考えてたはずなのに。

 本心で願っていたことは、裕ちゃんの傍に、自分がいること?

 かあっと体が熱くなる。

 なんて身勝手な。なんて厚かましい。

 両手で顔を押さえた私は、指の間から裕ちゃんの横顔をのぞき見た。

 裕ちゃんもじっと空を見上げ、何かを祈っているような、そんな気がした。