学校はすぐに休校となった。
私たちの目の前で、大の字に倒れて動かなくなった竜ヶ崎先生。
すぐに悲鳴が上がり、校内は騒然とする。
近くにいた、いわゆる目撃者の私たちは警察に事情を聞かれたけど『なにも分からない』と答えた。
本当に、なにも分からなかったんだ。
突然、誰かに殴られたように目をひん剥き、頭から血を流しだした。
警察によると、凶器のようなもので後頭部を殴打されたらしい。
でも、その凶器は見つからない。
当たり前だ。
だって先生は__。
「死り神だった」
新田くんが苦しそうに打ち明ける。
死りとりゲームの死り神は、竜ヶ崎先生だったと。
「はっきり見たんだ。あのお面の下は、先生だった」
「そんな、どうして?」
「それは俺にも分からない」
首を振る新田くんは、ドリンクバーのコーヒーを口にする。
砂糖もなにも入れない、ブラックコーヒーを飲む。
警察から解放された私たち4人は、誰ともなくいつものファミレスに集まっていた。
「けど、先生が私たちを殺そうとする?」
響子の疑問はもっともで、生徒を痛めつけるような先生じゃない。
もし知ってて殺したなら、明香も悠馬も鎌で殺したことになる。
やっぱりそれは考えられない。