でも彼女は、信じられないほど純粋で、臆病だ。


……つまり、俺の考えるようなことと、真っ白な彼女の考えには、大きな差がある。


この子はおそらく、高校生男子がどんなことを考えて生きてるのかなんて、何にもわかっちゃいない。


それを間違えて、愛しい彼女に嫌われるのだけは、避けなくてはならない。


ぜったいに。



「俺は、別にいいけど。
その日は、1日、家族もいないしね」



わざとはっきり言って、彼女の反応を確かめる。


すると栞菜は、ぱあっと明るくなった。



「えっ……ほんと?

それは………えっと、嬉しいです……」



そう言った後に、頬を赤らめる様子に、俺の中の何かが切れる。