バスケのご褒美に廉さまがご所望になったのは、手作りのお弁当、だった。


わたしなんかのそんなものでいいの?とあわてるわたしに、


廉くんは、誰もが頷く魔性の笑顔で、それがいい、とおねだりした。




そういうわけで、きょうは森林公園で、レジャーシートを敷いて、ピクニック。


柔らかな風にフワリと揺れるコスモスが、あたり一面を彩る。


秋の香り。


遠くでひびく、家族連れがはしゃぐ声。


穏やかな空気。



「うまい」



そして、お弁当を感慨深げに食べてくれる廉くん。


それが、なによりも嬉しい。