「でもあたし、叔母の家にお世話になっているから」

将は首を傾げる。

「お世話?
食事なしにしたり、ウォークインに閉じ込めたり、冷遇されてるじゃないですか」

あたしは何も言えなくなってしまった。

「俺、友梨さんを幸せにするから」

将の暖かい言葉に、あたしは過去に自分がしてしまった事も忘れて、喜んでしまった…。

「よし、じゃあ行くか」

将は立ち上がると、あたしの手を掴んだ。

「え、どこに行くの?」

「オーナーの家。
同棲を許してもらうの」

オーナーと聞き、あたしの顔色が悪くなったのを見た将は、

「きっと、大丈夫っすよ。
オーナー、俺には甘いんで」

そう言って、ニッコリと微笑んだ。