「奥沢には芹沢側の密偵として動くと同時に、奴らの動きを俺に伝えてもらう」


「…土方さんと芹沢さん、どちら側にとっても奥沢さんは密偵になるというわけね」


「そうだ。もちろん芹沢に伝える情報は操作する」


…随分と奥沢さんを信用しているのね。


顔に出ていたのか、土方さんはふんと笑った。


「奥沢とは古い付き合いだからな」


「それで、なぜそれを私に?」


なんだか…面倒な予感がする。