7時。
自転車で駅に向かう。
自転車で駅まで5分。
駅から電車で3駅。
駅から徒歩10分で学校には大体7時40分頃着く。

部室棟の方を見ると、偶然朝練終わって着替えたばかりの平良の姿が見えた。
友達と笑いながらこっちに向かってくる。
ドキッとする。
いつもと私の気持ちが違うことに気付く。

友達のうちの一人が私に気付いて、そのあと一気に平良と周りの友達の視線が私に向けられた。

あれ、いつもと違う。

友達がニヤニヤしながら平良の周りから離れる。
平良が少しだけ困ったような顔をしながら、私の方に向かってきた。

私の前まで来て立ち止まる。

「友達に言ったの?」
「言った言った。」

平良が飄々とした調子で答える。

「どっちにしろ今日振ったら絶対広まるじゃん、付き合ってること。」

それもそうか。

「なんか問題あった?」
「ないけど。なんか、そういう目で見られると思ってなかった。」
「どうでもいいじゃん。」
「うん、まあね。」

平良はいつだってあっさりしてる。
あっさりしてることを好むのだ。

「じゃあ俺こっちだわ。」

平良は部室の鍵を戻しに行くようで、職員室の方を指差した。

「うん、じゃあ。」

私がそれだけ言うと、平良も軽く手を振って駆け足でその場を去っていった。

少しは今までとは違うのかな。
私も友達に言った方がいいんだろうか。