「俺、沙和ならいいなと思って。」
「ん?どういうこと?」
「沙和が彼女になったら、別に何も変わらないし、勉強や部活の邪魔にならないし、何の支障もないじゃん。」
「え?なに?彼女ってなんなの?」
「その、今日の彼女と付き合うことになったら俺の生活が変わってしまうわけじゃん。『あれやろう、これやらないで、こうして、ああして』って言われるのが想像つくから面倒くさい。」
「それだと、私と付き合う意味ないじゃん。」
「意味っていうか、『彼女いる』って言おうと思って。」

テレビでは芸人が話していたところで、突然チャンネルが変わった。
変えたのはパパ。

「付き合っても何も変わらないの?」
「変わらなくない?今だって毎日会ってんじゃん。」

私には断る理由はない。
何も断る理由はない。

「うん、まあいいけど。」
「じゃあ宿題やりまーす。」

とてもあっさりと契約完了した。

私はずっと好きだった平良と付き合うことになった。