「ただいまシオン、お前、大丈夫だったか?」

ニャン!

水城さんがシオンを抱き上げると、シオンは嬉しそうに喉を鳴らした。

「長旅お疲れ様です。何か飲みますか? もうこんな時間だし、コーヒーじゃないほうがいいですよね」

「いや、大丈夫だ。水でいい。それに往復とも直行便だったから移動もスムーズだった。現地に着いてすぐ仕事で、終わり次第とんぼ返りだよ。けど、君を抱きしめたら落ち着いた」

水城さんは笑顔を浮かべたけれど、さすがにスケジュールがカツカツだったのかその表情には疲労の色が滲んでいた。

「大変でしたね」

ミネラルウォーターを注いだグラスを手渡して隣に座ると、喉が渇いていたのか水城さんは一気にそれを飲み干した。

「シオンちゃんの体調不良の原因は、水城さんと離れ離れになって寂しさからくるストレスじゃないかって先生が言ってました。だから、いっぱい撫でてあげてくださいね」