「…で、何でこんなことになったんだ?

今日は、オフだった筈だろ?」


澤弥の部屋に着いた途端、やっぱり聞かれた。


こういう時に、下手に言い訳すると嵌るんだよね…。


「ちょっとウチに荷物取りに行ったんだけど、ストーカーがいなかったから諦めたかなって思って、ついでに掃除とかしたんだよね…。」


ゴメン!って顔の前で手を合わせてみたものの、眉を顰めた澤弥の表情は変わらなかった。


「いいか、もう1回言っておく。

もう、絶対に外出するな!

仕事も、キャンセルできるものはキャンセルしろ!!」


仕事をキャンセルしろって言葉と部屋で見つけた物にムッとした私は、助けてくれた恩も忘れて澤弥に言い放った。


「こんな10年も前のヤラシイ雑誌取っておく奴に、仕事のことまで言われたくないわよ!」


私はベッドの下にあった雑誌を、テーブルの上に叩きつけた。


「お前…家捜しするか!?」


澤弥が慌てながら言った。


「漁ったんじゃない、転がったアクセサリー拾おうとしたの!

何でアンタがこんなもの持ってるのよ、ムカつく~!!」


「アンのセクシーショット、見たいから。」


冷静さを取り戻したのか、澤弥はサラッとのたまった。


「アン、まさか見るなって言わないよな?」


子供じゃないんだから、見るなとは言わないわよ。


けど…。


「タクヤが私のグラビア見てるなんて、知りたくなかった。」


私はむくれたまんま、下を向いた。