学校からの帰り道も、柚葉は一人で家へ向かった。
帰り道もいつもの倍時間がかかる。

神経も使う。

それでも柚葉は自分が決めたことをちゃんと守っていけるように、必死に家までの道を歩く。

そんな柚葉に気づかれないように永遠はそっと離れたところから見守っていた。

白線をはみ出して道路へ出そうになる柚葉にどきっとして手を差し出そうとすると、柚葉は自分で気づいて白線の内側に戻る。
途中で疲れて膝に手をついて呼吸を整える柚葉も、体が揺れて車にクラクションを鳴らされて走り去る車に頭を下げる柚葉も。
永遠は目をそらさずに見ていた。