サナにコンビニで買った弁当を渡すと、いらないと一蹴した。

「お前、腹へってるんだろ?」

「空いてるわよ。昨日から何も食べてないもん」

「なら、食えよ」

「女を騙したお金で買ったものなんかいらない」
ごもっともな正論なほど腹がたつもので、つい、かっとなる。

「ならでてけ、つうか帰れ」

サナはおしだまった。そして、涙を浮かべる。

「家には帰れない」

「家出かあ?」

「う、うん家出みたいなもん」

「飯食うか、出てくかどっちかにしろよ」

「じゃあ、食べる。そのかわり、昨日のお客さんのはなし聞かせて」。

「なんで?」

「その人に感謝の祈りを捧げるためよ」

「めんどくさいなぁ」

この日から俺たちの同棲と、日報報告が始まりを告げた。