散歩コースを巡り、私は家へと向かう。その途中にあるマンションの前まで来た時、私は思わず足を止めてしまった。

マンションの前には引っ越し用のトラックが止まっている。そして、荷物を降ろしているのはーーー。

「瑠璃ちゃん……」

私が呟くと、瑠璃ちゃんは気づいたのか私の方を見た。そして、「立羽ちゃん!」と言い私に駆け寄る。

「ゆ、夢じゃないよね……?」

私は泣きそうになりながら言う。瑠璃ちゃんは私の手を取り、笑った。

「嘘じゃないよ。立羽ちゃんに会いに来たの」

私の唇が震え、目の前がぼやける。約束が実った瞬間だ。

「約束、守ってくれたんだ……」

私の涙を拭い、瑠璃ちゃんが微笑む。

「当たり前じゃない。立羽ちゃんは私の親友なんだから」

私たちは泣きながら笑い合う。高校に合格したことがわかった瞬間のように、幸せな気持ちがあふれていた。

「立羽ちゃんも約束、守ってね」

瑠璃ちゃんが笑い、私は約束を思い出す。

「私の好きな食べ物は、パスタだよ」