私は体を捻って元彼氏の妹の腕を振りほどく。私が抵抗したことに、元彼氏の妹も瑠璃ちゃんも驚いていた。

「自分で歩ける」

私がそう元彼氏の妹を睨みながら言うと、元彼氏の妹は「大人しくして!」と言いながらまた私の腕を掴もうとする。

私の頭の中には、いつも家族と一緒に見ていた刑事ドラマが流れていた。主人公の女刑事も私と同じように拘束されていながら、犯人を軽々倒していた。その時の映像を頭に流す。

元彼氏の妹が私を捕まえるギリギリで避け、ふところに私の膝を思い切り入れる。すると元彼氏の妹はぐったりとその場に倒れこんだ。どうやら気を失ったらしい。

私は素早く元彼氏の妹の服のポケットから手錠や鎖の鍵を取り出す。自分の手錠を外した後、瑠璃ちゃんにつけられた鎖と手錠を外した。

「……えっ……」

瑠璃ちゃんは驚いて固まっている。私は元彼氏の妹が目を覚ましてしまった時のために、鎖をつけて手錠をかけた。