「私、人見知りで友達が作れなかったから……。こうして話すことができて嬉しい」

私は瑠璃ちゃんの手に自分の手を重ねる。

「私も、瑠璃ちゃんに会えてよかった。一人だったら、もう怖くておかしくなっていたかもしれないもの……」

外の情報なんて何も知らない。お父さんたちが警察に連絡したのか、あの元彼氏がお母さんに私のことを電話したのか、不安ばかりだ。

でも、瑠璃ちゃんがいるから泣かないでいられる。ご飯だって食べられる。

「私ね、いつも一人だったから人と一緒にいてこんなに楽しいんだって初めて知ったんだ。……もう一人は嫌だよ!」

瑠璃ちゃんがそう言うと、目から涙がこぼれ落ちた。私はにこりと笑う。

「瑠璃ちゃんがよかったらだけど、××県の××町に引っ越して来てほしいな……。そしたら毎日会えるし……。私の家の近くに入居者募集中のマンションがあったし。瑠璃ちゃんが引っ越してきたら、一番にお祝いしに行くよ!瑠璃ちゃんの好きなご飯を作る。仕事は……お母さんの働いてる食堂が人を募集しているから……」