永遠が紳士的にエスコートしているわけではない。
柚葉は中学生の頃の事故が原因で片耳が聞こえない。

聞こえないのは右耳。聞こえないことで平衡感覚に障害が出て階段やバランスをとらなくてはならないときに体が傾いてしまう。道を歩いていても気づかないうちに車道へ体が傾いてはみ出してしまうこともある。

永遠は事故にあい柚葉の耳が聞こえなくなってからいつも柚葉の聞こえない右耳の方を歩き隣で支えてくれていた。


柚葉は門に着くと永遠の腕から自分の手を離した。
永遠がいつものように柚葉の右側を歩いてくれる。
時々柚葉の体が傾くと柚葉の腕をつかみ気づかせてくれた。