ケータイ小説 野いちご

約束〜二人で帰ろう〜

「散歩、行ってくるね」

私がそう言いコートを着ると、おじいちゃんが「車に気をつけるんだよ」と言う。私は笑って「うん!」と言い、寒い外へと飛び出した。

いつもはこの寒さが苦手だけど、昨日から私の世界は煌めいていて寒さなんてどうでもいい。私はくるりとその場で回り、ヨモギに笑いかけた。

私は昨日、高校入試に合格した。行けるかどうか厳しいと言われていた学校だったけど、無事に合格できた。家族はみんな喜んでくれたし、私も合格がわかった時は嬉しすぎて泣いちゃった……。

この時は全然気づかなかった。私に犯罪の魔の手が迫っていたことを……。



三十分ほど近所を散歩し、私は家に帰る。私の家は山と田んぼに囲まれた田舎だ。夏になるとカエルの賑やかな合唱が聞こえてくる。

でも穏やかで、犯罪なんて今まで聞いたこともない平和な場所。近所の人はみんな親切だし、顔見知り。

「ただいま〜」

私は家に入り、ヨモギの足をウエットティッシュで拭く。リビングからいい匂いが漂っていた。

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