冬だった。 電気をつける。 敵がいる。 その瞬間、暖房がついているのにも関わらず 、場の空気が冷たく張りつめた。 時間が止まったかのように感じた。 ふと、我にかえった私はうるさいほど鳴り響 く心臓に喝を入れ落ち着きを取り戻す。 お互いがお互いを見つめているような気にな った。 迷った挙げ句大急ぎで階段をかけ下り、私は リビングの隅に置いてある殺虫スプレーをつ かんだ。