ケータイ小説 野いちご

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「ねぇ、シェアしない?」



うわぁ、すごく可愛い。


それが、桐崎舞香を初めて見た時の第1印象だった。


キリっとした目に尖った顎、小さな顔に肩までのショートカットがよく似合っている。今はその瞳は伏し目がちで、自信なさげに泳いでいるけど。


夏休みが終わった2学期、転校生がやってくるという情報は、クラスカースト中ぐらいの私の耳にも入ってきた。


「桐崎舞香(きりさきまいか)です。よろしくお願いします」


少し声も震えている。


あれだけ可愛いのだからもっと自信を持ってもいいのに、所在なさげに教壇の隣に立っている転校生は、儚(はかな)げに見えた。


それもそうか。


私は転校したことないから分からないけど、いきなり誰も知らないクラスに、それも高校1年生の2学期なんて、もうクラスは出来上がっている。


グループに分かれ、誰と誰が友達か、誰と誰は仲が悪いか、ものの見事に分かれているんだ。


そんな中に、ぽーんと放り込まれるんだから、たまったもんじゃない。


ほんとに気の毒。


といって、気安く声を掛けたりはしない。ここは様子を見ないと、私のテリトリーも危うくなる。


それなのに__。


「それじゃ、高梨(たかなし)の隣の席に。高梨、プリントを見せてやってくれ」


マジで最悪。


少しはにかんで、転校生の桐崎舞香が私の隣にやってくる。


仕方なく机と机をくっつけて、プリントを2人の間に広げた。


そして転校生はこう言ったんだ。



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