「き、昨日のは…その」




そうだ、俺。



プールに誘いに家に来たわけじゃない。



謝りに来たんだった。




「……ごめん」



「……」



「いきなりキスしたのは、ほんとにごめん。

でも、嫌がらせなんかではない。絶対に」



「…え…?」



「嫌ってないってこと、伝えたかったから…」




あのキスがほんとは、『好き』って意味だと。



伝わればいいのに。




「嫌いじゃ…ない?」



「あぁ」



「ほんとにほんと?」



「あぁ」




何度も確認する岩堀に、ちゃんと伝えると



嬉しそうに目を細めた。




「……プール、行ってもいいの?」



「…俺から誘ってんだから、来る気があるなら来いよ」



「うん…楽しみ」




岩堀は俺のカーディガンをくいっと引っ張って。



恥ずかしそうにはにかんだ。



その時ふと、健太の言葉を思い出した。




『もしかして私のこと好きなのかも!?って女の子は意識するかもしれないじゃん!』




……岩堀が、そう思ってくれたらいいな。