あの日、これのせいで会社は大騒ぎだったんだと理解することができた。

ならば是非やってみたい。
「お願いします。やらせて下さい」

「ただ、一つ条件があるんだ。集中してもいいが、私と過ごす時間を忘れないようにすること。それだけは絶対だ」
「もちろんです。クリフ様こそ、私のこと忘れてお仕事に集中しすぎないで下さいね」

「もちろんだ」クリフ様は満足そうに顔をほころばせ私たちは指切りをした。

ヴィーがまるで馬のように大きく嘶いた。
ーーー私のことも忘れるなよーーー

「もちろんよ」そう言った私にクリフ様は少しだけ眉をしかめていた。

後で知ったのだが、
一時期、執務室の面々が死にそうに忙しいとバテていたのは、シャボット社などから買い付けた建設資材などを地上から天上界に運び込む為の転移魔方陣と魔力の手配に追われていたことが原因の1つらしい。

ここの存在を地上に知られずにこんな大型の施設を作るだなんてどんな無理やりだと思うけれど、竜の国の人たちの期待は大きくオープンを心待ちにしているらしいから執務室の面々の苦労も報われる日が来るだろう。。