「御家人とは、鎌倉時代、将軍と主従関係を結んだ武士のこと。御恩と奉公の封建制度があったんだ。御恩とは、御家人が将軍から先祖から受け継いだ領地を保護されたり、新しく土地をもらったりすることで、奉公とは、将軍からの御恩に対して御家人が義務を果たすことなんだ」

「執権とは、鎌倉時代に将軍を助けて政治にあたった職。執権に就いていたといえば…北条氏かな。後鳥羽上皇が朝廷の勢力回復を図って起こした乱が、承久の乱。承久の乱の後、鎌倉幕府が京都に置いた役所が六波羅探題。幕府への反抗の監視などを行ったんだ」

「1232年、北条泰時が定めた最初の武士の法律を御成敗式目と言う。鎌倉時代のはじめ、後鳥羽上皇の命令で作られた和歌集を新古今和歌集という。鎌倉時代に随筆されたものといえば、徒然草と平家物語かな…」

「話があちこち飛ぶけど、二度に渡ってモンゴル帝国であるフビライ・ハンが作った国――元が日本の北九州に攻めてきた事件を元寇という。一回目は文永の役、2回目は弘安の役と言われている。まぁ、鎌倉時代はこんな感じかなぁ…今日は私の番だっけ?」

私は頭を回転させて句を作る。そして、口を開いた。

「鎌倉の 源平合戦 源氏勝つ」

私は色紙に筆を走らせ、それを天くんに渡した。義昭は無言で私を見つめる。義昭は、私を見つめる回数が多くなったように思う。