「あら?どうしたの?今日機嫌良さそうね?」
「えっ、な、なんで?」
そんな風に見えたのか、隠すように自分の頬に手を当てた。
顔に出てた......かな?
「ふふっ、さては会長となにかあったわね!」
的確に図星をついてくる朱音に、ビクッと肩を震わせてしまった。
「な、なにもない!」
「隠しても無駄よ 白状しなさい 」
誤魔化しも虚しく、チャイムが鳴るまでの間ずっと、しつこく詰め寄られた。
昼休みが始まり、いつものようにお弁当を持って朱音の席に移る。
私は朝から落ち 着かなくて、定期的にちらちらと横目で教室の扉付近を確認していた。
そんな私を見て、朱音がニヤニヤと意味深な笑みを浮べる。
「北条先輩、今日はいつくるんだろう〜、早く来てくれないかなぁ〜」
「っ!」
勝手に心の声を代弁する朱音に、顔が熱を帯びた。