ケータイ小説 野いちご

一ノ瀬くんの寝顔が可愛すぎてつらい。



『寝顔が可愛いと思う人』



一ノ瀬くんじゃん!

ピンポイントで一ノ瀬くん狙ってるやつじゃん!


それを私が引いてしまうって、どんな偶然だろう。

勢いよく一ノ瀬くんたちのクラスを見た。

応援している生徒たちの列の中に彼を見つける。


ほぼ同時に目が合って、一ノ瀬くんがいぶかし気な顔をした。

どうした、とその目が私に問いかけてくる。


名前を、彼の名前を呼びそうになった。

けれどその時、一ノ瀬くんの腕にギュッとしがみつきすり寄る女子がいて、声が引っ込んだ。


森姉妹の妹、森美鈴だ。


一ノ瀬くんに甘く微笑んだあと、私をきつく睨みつけてくる。

そんなに睨まなくても、一ノ瀬くんを借りたりしないよ。

私たちが同居していることは秘密なのに、彼の寝顔を知っていたらおかしいもん。


唇を噛みしめてから、一ノ瀬くんから視線を外し、自分のクラスの席へと走った。


「小鳥!」

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