「私からクリフ様にお話ししてみます。私も気になっていたんです。クリフ様は今はどちらに?」
「あー、今は地上に行ってる。ちょっとトラブってて。直接竜王が出て行ったからそっちはすぐに収まるだろうけど、ついでに仕事を一つ片づけてくるって言ってたから夜まで帰ってこないと思うぞ。
そもそも俺もアイツから楓ちゃんに今夜は夕飯を一緒に食べることができないって言付けを頼まれてここに来たんだ」
「・・・そうなのですか」
夕食を共にできないのは初めてのことだ。
そんなに忙しいってことなんだ。
地上でのトラブルって何だろうと気になるけれど、きっと一般人の私が聞いてはいけないことだろう。ここは竜王の世界だ。
「次にお会いした時にお話してみますね」
「ああ、よろしく頼むよ」
ラウルさんはパメラさんの淹れたお茶を一気飲みすると、「今日こそは魔力の補充に行ってこないと」と疲れた体を引きずるようにしてビエラさんのいる自宅へと向かって行った。
番には癒しや回復の効果もあると講義で習っている。
出て行く背中を見ると、ラウルさんの制服は所々ほつれたり、汚れが目立っていた。
本当にお疲れなんだわ。
「リクハルドさん、クリフ様の護衛は大丈夫なんでしょうか。ラウルさんはご自宅へ戻られてリクハルドさんは私のところにいて下さって。
クリフ様は地上へトラブル処理に向かわれているのでしょう?危険ではないのでしょうか」
私は自分の背後にいる護衛のリクハルドさんに声をかけた。
「楓さま。世界で一番強いのは誰だと思いますか?」
リクハルドさんの目が笑っている。
「あの方は殺したって死にませんが、私やラウルだけが竜王様の護衛ではありませんよ。
以前、護衛で地上についていったロレンソや近衛騎士団の面々が守っているはずです。ご心配には及びません」
「そうなの?」
「はい、楓さまが心配するような事は一つも」
リクハルドさんは笑顔を浮かべている。
本当かな。
パメラさんを振り返ると彼女も笑顔だった。
「心配はありませんよ、楓さま。我らの竜王様は世界一ですから」
二人にそう言われるととりあえず頷くしかないけれど、心配は残る。
私、竜の国の勉強をしていても、クリフ様のことはよくわかってないのかもーーー
「あー、今は地上に行ってる。ちょっとトラブってて。直接竜王が出て行ったからそっちはすぐに収まるだろうけど、ついでに仕事を一つ片づけてくるって言ってたから夜まで帰ってこないと思うぞ。
そもそも俺もアイツから楓ちゃんに今夜は夕飯を一緒に食べることができないって言付けを頼まれてここに来たんだ」
「・・・そうなのですか」
夕食を共にできないのは初めてのことだ。
そんなに忙しいってことなんだ。
地上でのトラブルって何だろうと気になるけれど、きっと一般人の私が聞いてはいけないことだろう。ここは竜王の世界だ。
「次にお会いした時にお話してみますね」
「ああ、よろしく頼むよ」
ラウルさんはパメラさんの淹れたお茶を一気飲みすると、「今日こそは魔力の補充に行ってこないと」と疲れた体を引きずるようにしてビエラさんのいる自宅へと向かって行った。
番には癒しや回復の効果もあると講義で習っている。
出て行く背中を見ると、ラウルさんの制服は所々ほつれたり、汚れが目立っていた。
本当にお疲れなんだわ。
「リクハルドさん、クリフ様の護衛は大丈夫なんでしょうか。ラウルさんはご自宅へ戻られてリクハルドさんは私のところにいて下さって。
クリフ様は地上へトラブル処理に向かわれているのでしょう?危険ではないのでしょうか」
私は自分の背後にいる護衛のリクハルドさんに声をかけた。
「楓さま。世界で一番強いのは誰だと思いますか?」
リクハルドさんの目が笑っている。
「あの方は殺したって死にませんが、私やラウルだけが竜王様の護衛ではありませんよ。
以前、護衛で地上についていったロレンソや近衛騎士団の面々が守っているはずです。ご心配には及びません」
「そうなの?」
「はい、楓さまが心配するような事は一つも」
リクハルドさんは笑顔を浮かべている。
本当かな。
パメラさんを振り返ると彼女も笑顔だった。
「心配はありませんよ、楓さま。我らの竜王様は世界一ですから」
二人にそう言われるととりあえず頷くしかないけれど、心配は残る。
私、竜の国の勉強をしていても、クリフ様のことはよくわかってないのかもーーー