カラン、と音を立てて
グラスに氷が入る。


「ったく親父。
何で17になったばかりの俺を
こんなところに連れてくるんだよ」


俺の言葉をスルーして
親父は涼しい顔でウィスキーを飲んだ。

無視かよ。
俺はオレンジジュースを
一息に飲み干す。

…甘ったるい。


「ここは、闇の世界の情報が
たくさんある場所だから、かな」


親父が静かに言ったところで
隣に腰かけていた派手なドレスの女が
席を立った。


「少し待っててね」