「まぁ、いきなり告白は難易度が高いかもね。まずは、連絡先を交換するところから始めてみたら?」

私の気持ちを察したのか、佳世がそんな提案をしてくれた。

「あ、それならできそう」

毎朝駅で会うだけの関係だと思っていたから、連絡先を交換するなんていう発想は少しもなかった。

小鳥遊君の連絡先を知りたい。

でも、教えてくれるかな。

どうすれば、すんなり聞ける?

なんで?って聞かれたら、どう言えばいい?
 
連絡先一つでも、いろいろと考えてしまう。

「考えるよりも先に、行動あるのみ! だよ」

「そうだよね。余計なことを考えるのはやめる」

梅ちゃんに励まされて元気が出た。

いつまでもうじうじしてたって、なにも解決しないんだから。

今自分にできる精いっぱいのことをやる。そう心に誓った。