「花ちゃんだったよね?」

「うんうん、涼くんが決めたから私も覚えてる!花ちゃんだよ!」


口々に私の名前を挙げてくれる女子達に、胃に穴が空きそうになりながらも


「あ〜……私、です」


仕方ない、とばかりに小さく手を挙げる。



「そっか、三津谷か。じゃあ、俺とでよかったら一緒に回ろうぜ?2回ればいいだけだし」


クラス委員の指原くん。
ガテン系と言うのがしっくりくる、こんがり焼けた肌に、いかにも鍛えてそうな身体。


基本的に誰にでも優しくて、頼りになって、クラス委員の座にふさわしい……ブサイクだ。(やめなさい)


さて、これは親切心からの提案だって分かっているけれど、私はすぐに答えを出せずにいる。

えーー、どうしよ。


ここで『お願いします』と言ってしまえば、頼くんが来てくれたら私すごい最低だし。


だけど、もしここで『ごめんなさい』と言ってしまえば、頼くんがもし来なかった時、私に悲劇が訪れる。