「なんか、白って龍嫌い?」

少しだけ違和感がある。

毒舌なキャラでもないみたいだし。
「うん、最近ーー龍嫌いになったかも」

えっーーー?


「だって、あげはを怖がらせるから。
あげはが、龍を怖いのに勝手に女にならせようとして自分のことばかりな、身勝手な龍がさあ。

最近、イラつくし嫌いなんだよ!」


白ーーーー?


「特別な感情って、急に生まれるんだなってあげはに出会って気づいた。

強いなって思ったよ、最初。
戦い挑んで来るんだよ、俺らに。
だけどさあ、近づいて見たらか弱くてさあ。

俺が守ってあげたいって思ったーーーー」



白にドキドキする。
車内には、ツヨシさんだっているのに。

「掟は関係ない。
だからさっき、キスした。







なんつーか、あげはが可愛くてやばいっ!」







いっぱいいっぱいだよ。

心の中が、白いっぱいに広がる。


「白、見ないで。
恥ずかしいっ」

暗闇の中でもわかる。
白の真剣な瞳に、逸らす目。

クス、と白が笑った気がした。