「まあ、あれだ。
とりあえず、家どこだ?
家まで、送ってやる」

なんつーか、俺様な龍。

龍は、バイクにまたがった。

「いい、バイクとか怖いし」

本当は、それだけじゃないけどーー。

「いいから乗れよ「だから、龍の後ろだけは嫌!!」

完全否定しちゃうけど。
なんだか、龍が怖い。

最初から、龍だけ怖かった。
龍が目を見開いて見てる。

「ぷっ、龍、振られてやんの!!」

腹を抱えて笑う旬を、一睨みした龍がため息を吐き出した。

「じゃあさあ、誰がいい?
こん中なら」

黒の無邪気な声が聞こえた。

あたしは、周りを見渡した。

そんなのーー決まってる。

「白がいい」


穏やかで優しい白。

好きとか、わかんないけどーー。
本当、安心するんだ。

「いいよ、じゃあ行こうかっ」

白のバイク。
改造車か、随分大きくて身長低いし乗れる自信ない。
あたしは、白を見つめた。
困った様に。