だけど、

目の前にいる佐々木くんは真っ直ぐに私を求めてくれる。

強く、強く。

聞き分けのいい大人を止めるなら今かもしれない。

明日、彼に全部話そう。

他の誰かと一緒にいるのを見てしまったこと。お互い気持ちがもう離れつつあるんじゃないかってこと。

だから、終わりにしましょうって。

私はそう決めると会社ではずっと掛けている眼鏡を外した。

心なしか気持ちも軽くなった気がした。

案外素直になるのって簡単なことなのかもしれない。こうやって眼鏡を外すくらいに。

そして佐々木くんの目を見ると打ち明けた。

「私ね、これ伊達眼鏡なのよ。」

「えっ、そうなの?」

佐々木くんが少し驚いた顔をしたけれどそれも一瞬の事、直ぐに顔を緩めた。

「良かった。」

「何が?」

やはり眼鏡ブスはゴメンなんだろうか?



ーーーーこの前さ…キスする時、邪魔だなって思ってたんだ

どちらからともなく私達は唇を重ねーーー

んっ…ーーー

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