……カタカナが似合う。

頭の中で文字を並べてみる。



琉生────ルキ。
はのん────ハノン。


なんとなく言いたいことが分かると、自然とほっぺたが緩んだ。




「ほんとだね」


と、返した直後。

────キーンコーン、と始業のチャイム。




「っあああ、やばい行かなきゃ」


呑気に話してる場合じゃなかった。


今度こそ、本当に背を向ける。




「上月」



背中からかかる声。
相手が病人だから、無視もできずに顔だけ振り向く。




「昼休みになったら、俺のこと迎えに来て」