「あ、悪りい、遊んでたらぶつかった!」

白の手が、旬の後頭部に直撃した見たい。

「いてーな、絶対わざとだろ!!
一体なにがーー」


あたしは見えなかったけどね。
うん、今も真っ暗だ。

固く目を閉じてしまったら、何も見えない。


「あげはっ」

誰の声?




あの日も、あたしより数倍でかい男達に凄まれた。



「嫌だっ!!」



耳を塞いだら何も、聞こえない。
そうでしょう?


目を塞いだら、見たくないモノも見なくていい。
そうでしょう?


フワリ。


誰かに抱き締められた。


それは、とびきり優しい。
「大丈夫だよ、あげはっ。
怖くない、怖くないっ」


白?

我に返って気づいた。
あたし、白に抱き締められてる。