「あの七瀬くん
聞きたいことあるんだけどいい?」


「ん?なに?」


「七瀬くんって中学の時麻里ちゃんと何かあった?」



「何かって?」



「んーと、前にね、麻里ちゃんが中学の時色々あって七瀬くんに助けてもらったことがあるって言ってて」




「…それ多分、中野さんの元彼がなかなか中野さんと別れなくて、俺が説得した時のことじゃない?」



「…ほお」



「俺は別に助けたつもりはないけどね。
あのままじゃ、その元彼が悪者扱いされることになったと思うから」




なるほど、、七瀬くんお得意の天然たらしはそこでも炸裂されていたわけか。





「それにしても俺もあんまりいい性格してないからわかるけど、中野さんも中々の性格してるよね。
まあそのおかげで橘さんが失恋してくれてチャンスが来たから、俺としては嬉しい結果になったけどね」






「ちょ、、!酷くない!?」


「そ?橘さんが好きになるくらいだから堀北はいい奴なんだろうけど、でも橘さんを幸せにする力だけは誰にも負けない自信、あるよ?」





「………」


「ん?どうしたの?顔赤いけど?」





いつものふわふわした笑顔ではなく、至極楽しそうに、ニヤつきながら私の顔を覗き込む七瀬くん。


こ、の!!







「……天然タラシ…!!!!」






私のその言葉に、ははっと吹き出した彼は



「大丈夫、俺自分でもびっくりするくらい橘さんにしか興味ないから」



「…またそういうこと言う…」



「でもウレシイナー。これからもっともっと橘さんのこと甘やかせると思うとワクワクするよね」



「、は?」


「前に言わなかったけ?
俺の目標は橘さんが俺なしでは生きていけなくすることだって」




「怖っ!!!
私はちゃんとひとりで生きていけるんですけど!」


「ははっ、そうだね。
俺橘さんのそういうところも好き」



「な、!!何で、そういう、、!
甘い言葉をベラベラと…!」




「だめ?」



「だめ!……ではないけども!」



「じゃあいいじゃん。全部本当のことだし」



「あーーー!もう!!
私の心臓のことも考えて!?」



「はははっ、楽しい」


「楽しくないわ!!!」


「…でも俺のこと好きでしょ?」



「ーーー……あーもー!ええ!好きです!
それも大好きですよ!!」



「うん、知ってる」





「はあ!?七瀬くんはどうなの?!
ちゃんと言ってよね」



そして彼は私が大好きな笑顔で自信げに





「もちろん」



こう言うんだ。









「大好きだよ、小菜」














end