「どうしてもっと早く言ってくれなかったの?!」

「まだ確信が持てなかったんだ。最初は道化師に追われているとすら思わなかった。でもオフィーリアの言う、右目に魔法陣を持った男って言葉を聞いて、俺の中である人物が一人浮かび上がった」
 
直ぐ後ろにある窓に近づき窓の外を睨みつける。

「だが、さっき言っていた【あいつらの魔力】って聞いて確信に至った。オフィーリアは道化師に狙われているって」

オフィーリアの方に振り返って更に言葉を続ける。

「そして俺もお前と同じ目的でそいつを追っている」

「私と……同じ目的って」
 
拳に力を込め目を閉じて言う。

「俺は……あの男に両親を……たった一人の妹を殺されたんだ」

俺は光を失った目を浮かべながら、驚いている彼女を瞳に映す。

目を閉じれば脳裏に過るのはあの嫌な光景だった。

今でもたまに夢で見る事があるくらい、あの時の光景は俺の心に深く傷跡を残しているんだ。

「全部話すよ。この呪われた目を持つようになった真相を」