「あなたは何で探偵なんてやってるの?」

「俺には質問してくるのね」

「当然よ。私のことを手伝ってくれるって言ったのはあなたよ。少しの間お世話になるんだから少しくらい知っておかないと」
 
自分の目的以外にはあまり興味がない子だと思っていたけど、どうやら違うようだ。
 
だったらここは俺について知ってもらおうじゃないか。

「俺が探偵をやっているのはレッドアイを追っているからだ」
 
表向きはな。

「それで私のことを手伝ってくれるのね」

「まあそんなところだ。あと、ほっとけない」
 
俺は紅茶の入ったカップを口に運ぶ。
 
そんな俺の言葉に彼女は気まずい顔を浮かべると言う。

「あなたには関係ないって言ったでしょ」

「それは無理だ。依頼主を守るのも俺の仕事なんでね」
 
たとえオフィーリアが嫌がろうとも、どこまでもついて行ってやる。
 
内心そう決心した俺はにやりと笑った。

「いやな顔つきね」

「気のせいさ」
 
オフィーリアは深く息を吐くと、真剣な眼差しを俺に向けると言う。

「本当に【あの人たち】と関わるつもりなの? 関わらなければ、あなたはいつも通り幸せな日々を送れるのよ?」
 
オフィーリアの言う【あの人たち】ってのが気になるところだが俺は軽く笑うと言う。