日の光の降り注ぐサロンは、夕べ見たサロンとは全く違う印象だった。

 夕べは気づかなかったが、このサロンは天井にまでガラスがはめ込んであり、ホールにはあますところなく穏やかな太陽光があふれている。壁のほとんども透明性の高いガラスで作られており、そこからは手入れの行き届いた広い庭が見渡せた。

「昼のサロンも素敵ね」
 ソフィーと一緒に中へ入ると、すでにそこにはレオンが立っていた。 

「来たな。こっちだ」

 そう言ってローズの手をとって席へと導いてくれる。妙に気取った仕草を見て、レオンも緊張しているのかとローズは意外に思った。貴族の嫡男であれば、女性のエスコートなど慣れているものだと思っていたのだ。

「お招き、ありがとうございます」

「今日の昼食は、俺たち二人だけだ。気楽に過ごすといい」