ケータイ小説 野いちご

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天然たらしが本気を出す時。


「小菜ちゃんなに食べる?」


メニューを開きながらこてんと
首をかしげる麻里ちゃん。

やばい!眩しい!直視できない!


「え、っと…このイチゴのやつ美味しそうだなって思ってるんだけど…」

まるでコミュ症のような喋り方の自分に若干苦笑。
思春期の男子かっ!



「いいよねこれっ。私も美味しそうだと思ってたんだ。これ2つ頼もっか」


そして店員さんにイチゴのバームクーヘンを2つ頼んだ。

…のはいいのだけれど、バームクーヘンが来るまでの間なに話せばいいの!?



ていうか麻里ちゃんはなんで私を誘ってくれたの!?
嬉しいけど!それはもう凄く嬉しいけれど!!

なにか話題、なんだなんだ、どれだどれだ、なにかあるか…?



悩みに悩んだ結果

「ま、麻里ちゃん…!堀北とはどう?」

堀北しかでてこなかった…。




だって私と麻里ちゃんの共通点なんて堀北しかない…。





「堀北くん?順調だよっ
小菜ちゃんが協力してくれたおかげだよ!」


とにこにこ笑みをくれた。


グサッとなにかが突き刺さるような感じがしたけれど、悲しい気持ちにはならなかった。

そういえば、最近堀北のこと全然考えないな。

多分考える間も無く七瀬くんが色々してくるからだと思うけど。


そう思うと、七瀬くんには
結構助けられているのかもしれない。


誰にも言えなかったことを七瀬くんに不本意だけれども話すことができたし、それで少し心が軽くなったのは事実だ。




うん、七瀬くん凄いわ。







「小菜ちゃんは七瀬くんとどう?」

今度は麻里ちゃんからの質問にびくりとする。

なんて答えればいいんだ!!



今思い出しても自分が意味不明だよ。
なんで七瀬くんのこと好きなんて言ったの私。






「え、ーと、どうだろう?」




答え方がわからず麻里ちゃんと目を合わせられない。

いっそ本当のことを言おうかと思ったけれど



多分だよ、多分だけど



私は七瀬くんのことを気になりつつある。
のだと思う。







単純でごめんなさいね!!







だから否定するのもどうかなあと。






「ふふっ、小菜ちゃんが七瀬くんのこと好きって聞いた時はびっくりしたよ~」




と麻里ちゃんが目を細めて笑うから私もえへへと笑っておいた。





そして彼女は私の手をぎゅっと掴みながらこう言った。






「あのね、私の恋に協力してもらったから
今度は私が小菜ちゃんの恋を応援したいのっ」



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