「昨日、あれから一緒にご飯食べたの!?」
「さ、沙月ちゃん、声が…!」

「ご、ごめんごめん」


慌てて沙月ちゃんが自分の口元を手で抑える。
それでも目は大きく見開かれ、明らかに驚いていた。


沙月ちゃんに昨日のお昼休みのことを聞かれたから、漠然とだったけれど話したらとても驚かれた。

当たり前だ。

だって私は、神田くんと一緒にご飯を食べたのだ。
容易に近づくことなんてできない、遠い存在の彼と。


「だってまさか…えっ、じゃあ私すごくいい仕事したね!」

「そんなことないよ…逆に神田くんに迷惑かけちゃったから」


静かな空間が好きだと言っていた彼のことだ。
私といるより、きっとひとりのほうが好きだろう。


「絶対それはないね」
「どうして言い切れるの?」

「私が男だったら嬉しいから。
こんなかわいい未央がそばにいたら」


その言葉に対し、否定の意を表すため首を何度も横に振る。