「わりぃ。俺が色々話すと、志芳の奴、すげぇ怒るから言えねぇんだ」


「そう、なんだ」


「ただまぁ、志芳が俺にとって“大切な存在”だってことは確かだよ。あいつの方は、どう思ってるか知らねぇけど」


一月君はにこっとし、


「でもほんと、どんどん美人になってるよな志芳の奴。あんだけ美人なら彼氏とかつくればいいのに、あいつ本ばっかり読んで、自分の世界に閉じ籠ってるんだぜ」


さっきもだけど、一月君、志芳ちゃんのこと美人美人ってほめすぎ。まぁ、事実なんだけどさ…。


「私の前で
他の女の子のことほめないでよ」ボソッ
「ん? なにか言ったか?」
「ふん、なんでもないし」


「じゃあ、そろそろ食おうぜ。
希望が作ってくれた弁当」


あっ、そういえば、
今日は私が作ったんだっけ。


一月君はわくわくした感じでお弁当箱を開いた。