さっき、那野は言っていた。
いつでも自信がないと。

でも、分からない。
沢山の人に愛される那野が
先生からも期待される那野が
劣等感を感じる瞬間が分からない。

妃乃「本当に留学しなくて良かったの?
担任の先生が頭下げるなんて...
ナノは期待されてるんだよ?
せっかくだから、行っても
いいんじゃないかなって私は思うな。」

那野「よく分かったよ。」

妃乃「え?」

那野「ヒノの言う通りだ。
多分、今の俺たちは理解し合えない。
ヒノが考えたいと言うのなら待つ。
答えが出たら教えて。」

せっかく仁野に与えてもらった
チャンスを不意にしたような気がした。

だけど、きちんと
伝えるべき事は伝えられたと思う。

そして、なんとなくだけど
答えが出たような気がした。