ケータイ小説 野いちご

闇に溺れて、秘密のキスを。




「何かされてほしい?」

意味深な言葉。
もし手を出すのなら、聞く必要なんてないのに。


首を何度も横に振る。
嫌だ、怖い思いはしたくない。


「そんなに不安な顔、しなくていいよ」
「でも、神田くんが…」

「傷つけるようなことは絶対にしない。
危害を加えるつもりなんてないから」


そっと、彼の指が私の頬を撫でる。
目を細め、微笑ましそうに私を見つめながら。


「ほんと…?」
「……怖い?」

ストレートな質問。

「怖い、けど…神田くんは怖くない、優しい」


正直怖いけれど、彼自身に対しての怖さじゃない。
何か手を出されるのかと考えたら怖いのだ。


「もー、そんなかわいいこと言って。
きっと白野さんは誤解しちゃったんだね」


だから大丈夫と彼は言い、また私を抱き寄せる。


そんな神田くんの開いたシャツからは、和彫りが見え隠れしていた───


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