いや、冷静になろう。

もしかしたらハーフで、地毛なのかもしれない。

うん。きっとそうだよ。


透き通るような肌も、長い睫毛も、長い足も、そして何より整った顔立ちは日本人離れしている。


「こちらになります」


「ありがとうございます」


自分なりに結論を出して、廊下を進む。

危ない。外見で人を判断するところだった。



「前山さん」


「はい?」


「今日から宜しくお願いします」


「こちらこそ!宜しくお願いします」


礼儀正しい彼の様子を見てひどく安心した。
大丈夫、上手くやれるよね。