溶けたアイスを持って2階に上がる。



詩優に手を引かれていたから下っ端の人たちが私たちのことを見ていて………恥ずかしい…




思わず下向いて歩いた……



ちょうどいいタイミング…というか悪いタイミングというか…雅さんが階段を下りて来て



「また明日ね、詩優」



まるで私のことなんて見えていないような言い方…



「俺、雅にちゃんと言いたいことがあるから。明日話そう」


私の手を強く握る詩優。



「えぇ?詩優ってばついに雅にプロボーズするの!?きゃー!!楽しみにしてるね!」



と笑顔の雅さんだが…目が笑っていない……そのまま走り去って行ってしまった…



……嵐のような子…



詩優がため息をついて、2階の扉を開けた。



竜二、京子、が疲れたという顔をして、明日葉は美味しそうにアイスを食べている。



……雅さんと何かあったのだろうか



私は溶けたアイスを冷凍庫の中に戻して、1人がけソファに静かに座った。






雅さんはきっと詩優を諦めないだろう。だけど……私は詩優のそばを離れたくない……