4人の手当が終わって、しばらく経った頃
「詩優。最近できた族…"狼犬(ろうけん)"…こいつらだ。狼の牙に似たナイフを使って襲われた族がある」
京子がパソコンのキーボードを素早く打つ。
「へぇ。犬が龍に…ね」
詩優が口角を上げる。
「ただ…こいつらの倉庫が見つからない」
京子が詩優と目を合わせる。
「ないっていうのが正しいのかもな」
「そうね」
「ありがとな、京子」
詩優と拳をコツン、と合わせる京子。
雷龍はチームワークがすごい。
「詩優」
竜二さん、倫也、明日葉が戻って来た。
「奇襲してきたやつらはもうここら辺にはいなかった」
竜二さんが眉間に皺を寄せて話す。
「…そうか。お前らもありがとな」
詩優は3人と拳をコツン、と合わせると"狼犬"について話した。
「お前らは…いくら個人が強いからって気ぃ抜くなよ」
詩優がそう言うと、
「お前もな」
と竜二さんが返す。
「おう」