目を覚ましたら……



あの家じゃなくて……



夢じゃなくて良かったと安心する。



あのあと詩優は私に部屋をくれた。私が以前泊まった時にいた部屋。



もともとここは客間だったらしく、ベッドも布団も全部くれたんだ…



……何から何までお世話になってばかり。





コンコン、と部屋の扉がノックされ


「は!はい!!」



驚いて元気に返事をしてしまった…



詩優の笑い声が聞こえて、「話さない?」と言われた。



…話?


「着替るからちょっと待ってて」



と私が返すと、「おう」と詩優が言う。





私は急いで着替えて準備する。





髪ボサボサじゃないかな、とか寝癖ついてないかな、とか鏡で確認する。