「ま。頭が特別いいわけでもなかったし、普通に受けてても、もしかしたら落ちてたかも。 だって、こんなバカ校の中ですら1位どころか、2位にもなれないんだもん」



成績のトップ3は、1年生のときから変わらない。
ブレない。

3位がミカちゃん。

2位が
────中島くん。




「はのんの幼なじみはすごいよねぇ。成績は常にトップ。それどころか全国模試でも上位に入るほどの実力の持ち主で? 2年に進級したその日に、生徒会長に就任でしょ? 前代未聞じゃん」



……そう。
ときどき忘れそうになる。


私の幼なじみで、元恋人の
堺井 遼(さかい りょう)くんが
────同級生だってこと。



立ち振る舞いが上品で、大人っぽくて。
できるのは勉強だけじゃない。
スポーツだって、なんでもこなす。

才能の塊みたいな人なのに、気取ることもなく。

そして何より、すごく優しい人────。




「1年のときは、堺井くんみたいなのがなんで西高にいるのか不思議でしょうがなかったよ。きっとあたしみたいに、他の高校の受験日にインフルエンザにでもかかったんだろうって」