ケータイ小説 野いちご

闇に溺れて、秘密のキスを。




図書室に行くたび、その人と会うということはなかったけれど、たまに見かける時もあった。

もちろん話しかけることはできず、時間だけが過ぎていった。


そして高校二年生になり、始業式のあったその日。
私は目を疑った。

なぜなら、同じクラスにその人がいたから。


てっきり先輩だと思っていたから、私は驚きを隠せなかった。

けれど彼は周りに興味を示さず、自分の席でずっと本を読んでいた。


周りは彼に視線を集めるけれど、そんなのはお構いなしの様子だった。


堂々と、自分の好きなものに没頭している。


その姿が容姿以上にかっこいいと思った私は、さらに彼に興味を抱くようになった。



しかし私は一言も話しかけらないまま、気づけばもう二年生になって二ヶ月が過ぎようとしていた───


< 3/ 530 >