「美麗さん、せっかくの休日なのにお邪魔しちゃってごめんね」



部屋の中をあちこち撮影して回ってる和真と時雨くんを見ながら、伊勢谷くんが苦笑いを浮かべた。



「ほんと…まさか二人が来るなんて思ってもいなかったよ……。 あ、クッキーありがとう。 美味しい紅茶でもあればよかったんだけど、ペットボトルのお茶しかなくてごめんね」

「いやいや、飲み慣れてるお茶の方がいいから。 こっちこそありがとう」



高級そうな箱に入ったクッキーの詰め合わせと、どこにでも売ってる500ミリリットルのペットボトルのお茶。

微妙な組み合わせになってしまった それらをテーブルの上に準備したあと、私と伊勢谷くんはソファーに並んで座った。


和真と時雨くんは……相変わらず撮影に夢中になっている。



「それにしても、まさか「唐草 美麗」が美麗さんの弟だったとはね。 和真くんに会って正体を知った日の夜、マルは俺の家に来たんだけど……荒れに荒れて大変だったよ」

「……私たちの前ではそんな素振り見せなかったけど、やっぱり荒れてたんだ……」

「うん。 でも今はもう、見ての通りだから大丈夫。 マルと和真くんは趣味が合うから、これから先も良い友達として付き合っていけると思う」