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「うう……痛い」
次の日。私はまた机でうずくまっていた。
今回の原因は中島くん、ではなく。
「痛み止め飲む? あたし持ってるよ」
「ううん、大丈夫……ありがと」
月に一回やってくる女の子の日。私は毎回、痛みの程度がすこぶるひどい。
特に初日と2日目は、歩くこともできないほど。下のお腹がぐっと全方向から押されてる感じ。
お腹を中心に、全身が重だるくなってしまう。
「はのんは、クスリ嫌いはやく直したほうがいいよ。いつまで経っても苦しいのいやでしょ」
「そうだけど……得体のしれないものが体内に入ってきて溶け込むんだと思うとムリ……」
昔から、病院嫌い、注射嫌い、クスリ嫌い。
あの場所に行くと、自分の体が改造されてしまうんじゃないかとか、何かの実験に使われてしまうんじゃないかとか、小さい頃思ってた。
どうやってそんなイメージが植えつけられたのかは、わからない。とにかく苦手で。
今となっては、改造も実験もないってわかってるけど、なぜか苦手な意識はぬぐえないまま。
「普通に食べ物だって思えばいいのに。ほんとにしんどそうだし、そんなんじゃ周りも心配するよ」
ミカちゃんは呆れ顔をつくると、ちらりと周囲を見渡した。
「ほら、中島くんもこっち見てる」